pp’+A

(PP’+A)という公式を考えた。Pは精神分析を、P’は哲学を表す。またAは芸術のことである。

P↔︎P’という関係に着目しよう。Pの精神分析は自己が自己について思考することであって、主体は=対象となる。しかしP’の哲学は認識の学であるから、主体が認識対象を目指している。

現象学は、主体の中に対象も含まれれるが、この点は保留にしておく。(主体の方向性が重要で、主体が主体自身に向いているか、あるいは主体が対象の方向を向いているか)。

Aで示した芸術は、文学、絵画、音楽、演劇、映画など、才能や個人のインスピレーションに深く関係する分野である。

一個の人間が、自己という内的世界を研究すること(P)、外的世界の認識に努めること(P’)およびその方法と研究。ただ、この二つのみだと人間としてどこか硬直化してしまう畏れがある。

人間的であるためには、芸術の享受または自ら芸術活動をするべきである。

硬直化と精神的な行き詰まりの例は『吾輩は猫である』を執筆する以前の漱石と書き終わった後の漱石で、芸術活動を通じて昇華に成功したのだと分析できる。表現活動をしなかったら漱石はかなり危なかったと思われる。