成績と創造力

ニュートンの成績が良くなかったというのは有名な話である。これまで無かった新しい学問体系を創造しようという人物の成績がいい筈がない。

間違った、あるいは納得のいかない学問を教えられ、(それが正解になるのだが)教えられた通りに悶々たる感情を秘めたまま解答を書くのにいい成績が取れるわけがない。

記憶が優れ頭の回転の速い人を優秀と呼ぶが、記憶のいい人は創造に弱い印象がある。

確かにモーツァルトピカソ、フォン.ノイマン、は抜群の記憶力の持ち主であったが、革命的な創造をした訳ではない。革命的なとは、例えば、コペルニクス、ルソー、マルクスアインシュタインなど、既成の概念の壁を突き破る業績を挙げた人を特に言う。

現状を素直に受け入れる精神では、つまり今に納得する精神に新しい発見は期待できない。現状に疑問を抱いているからこそ創造する。

21世紀の正解が必ずしも将来の正解とはならないのだから。