作者の死

作品と作者が関係を保つのは作者が生存中に於いてのみである。作者の死は作品の新たな誕生で、それは自由に動き回る。作者の死は作品を自由の身にして束縛から解き放つ。自由になった作品は作者がどんな人物であったかは一切問わないし気にもしない。過去に作者の作品であったとさえ言ってもいい。作品は作者から独立し永久に乖離することができる。これは作品の特権であり作品自体が人格を持つことになる。責任の所在は消滅し作品にとって作者の存在はもはやどうでもいい。作者が問題なのではない。残された作品こそが全てを語るのだ。作者が作品と縁を切るとは作者が誰であっても構わないこと、更に作者の人格さえ問わないことを意味する。作者の死により作品は自由に飛ぶことができる。