重か軽か

喋ったり書かれたものは、その内容のなかに症状が封じ込められている。症状とは、こころのしこりである。しこりが蓄積されつと症状が牙を剥き、誰でもわかる形で緊急事態を知らせる。芸術作品は症状の塊と考えられる。症状は厄介なものばかりとは限らない。文化は、病みつつも魂の大いなる救いである。深く本質に迫れば迫るほど、重たくなる。健全すぎるものは軽いがために意味も軽く息も短い。そして、世界の表層を滑るように生きて死ぬ。