空中を彷徨う

イデアは、答えと問題を一緒に保存しながら、空中を彷徨う。答えと問題は、離れておらず密着している。だから、ひとつである。手掛かりは気分で探す。問題は、答えを引きずっているが、このひとつが発見されるのは稀だ。なんらかの跳躍に寄らずしては見つからない。隠蔽されているようにみえるのは、探す側に障碍があるからだろう。探そうとする眼に、既に偏見があり曲がっているから、なかなか跳躍することが難しい。既成の観念から心が解き放たれたときがチャンスである。真理は跳んで捕まえる。無理なら空想の力で重力を消せばいい。

迷著

教科書を完璧に記憶して、教科書通りに行動して喋る人。教科書で教えたつもりになっている教師。教科書と文部科学省と政権の関係を無視する輩。教科書を読んで学んだつもりの学生。教科書に書いてあるのだから、と言って一歩も譲らない融通のなさ。教科書が時代によって変わることを想定しない生徒。教科書が正しいと、全く疑わない連中(デカルトを知らない)。教科書を読んで知っていると自慢する女学生(ソクラテスを知らない)。医学の教科書を暗記して治療する危険な医師(現代西洋医学信仰者)。憲法改正で法律を学びなおす法学者。数学の教科書の記号がライプニッツのものだからといって自己流の記号を使うのを恐れる数学者。教科書を聖書とする人と聖書を教科書とする人。聖書の隣にニーチェの書をおいて均衡を保とうとする強者。卒業すると手の平を返したように教科書を忘れる愚者。教科書に相応しくないから掲載されないが貴重な書物たち。教科書で子供が学んでいれば安心する母親。教科書を愚弄する将来有望な小学生。バナナを踏んで滑るが如く教科書で滑るやんちゃな児童…